『何度も名前を呼びました』


君が呼んでとせがむから。
頭を撫でて、抱き寄せて。
何度も名前を呼びました。
だけれど今度は君が言う。
もう名前を呼ばないでと。
なんて身勝手な君の言葉。

君は呼んでとせがまない。
頭を撫でても反応は無い。
何度も名前を呼びました。
壊れた瞳に微笑みは無く。
ただ一筋だけ涙が零れた。
なんて素敵な午後の日常。







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